――あれから一週間。
僕は、毎晩のように乳首をクリップでつまむ生活をしている。最初は痛みで悶絶する時間のほうが長かったのに、今では身体が慣れてきてしまった。痛みよりも、じわじわとした熱が乳首から全身に広がって、変に心地よくなってしまう。
以前より確実に敏感になっているのが分かる。日常生活の中で胸の奥が反応してしまう。
電車で吊り革につかまりながら、胸元にかすかに力が加わると、息が詰まりそうになる。ブラの下で、僕の乳首は確かに固くなっていた。
会社でも同じだ。
デスクに座り、前かがみになるだけで乳首がブラに押しつけられる。
「……っ」
喉が勝手に鳴りそうになり、慌てて咳払いでごまかす。
◆
ある日、コピー機の前で待っていたとき、つい無意識に乳首を指でいじってしまった。
ブラの上から軽くつまむだけで、ビリッと快感が走る。
やめなきゃ、と思った瞬間――
視線に気づいた。
千尋が、数メートル先から僕を見ていた。
彼女は書類を抱えたまま、じっとこちらに目を向け……何も言わず頬を赤らめ、すぐに踵を返して歩き去っていった。
「あっ……」
身体が熱くなる。
見られた。いや、勘違いかもしれない。けれど、あの無言の目は、確かに“気づいていた”ものだった。
◆
昼休み、1週間ぶりに経理の三人に呼ばれ、資料室のパイプ椅子に座らされる。
すでに乳首は羞恥でジンジンと疼いていた。
「で?一週間やってみて、どうだった?」
瑠衣が腕を組み、僕を見下ろすように言う。
「……慣れてきました」
消え入りそうな声で答えると、真帆と茜が顔を見合わせ、吹き出した。
「慣れるって……やだ、ほんとに変態になっちゃってるじゃん」
「毎日クリップ着けて、ブラで擦れて感じちゃうなんて……レンくん、もう完全に乳首が開発されちゃってるね」
「ち、違う……っ」と口ごもる僕に、瑠衣は一歩近づいてきて、僕の耳元で囁く。
「……チクニーレンくん」
「なっ……やめてください!」
耳まで真っ赤になるのがわかった。
「あれっ?チクニーの意味が分かるんだ。自分で色々調べてて偉いね」
笑い声が資料室に響いた。
◆
瑠衣は唐突に言った。
「じゃあ――今日は特別に、射精してもいいよ」
「……えっ」
心臓が跳ね上がる。
「ずっと我慢してたでしょ?今日は頑張った“ご褒美”ね。今夜だけは、乳首オナニーしながら射精していいよ」
その一言で、股間が熱を帯びてしまった。スラックスの下、ショーツの中のチンコが反応するのを自覚し、慌てて脚を組む。
瑠衣はその様子を見て、にやりと笑った。
「ほら、もう反応してる」
「ち、ちが……」
言い訳は、声にならなかった。
「でもね、一つだけ条件があるの」
真帆が横から口を出した。
「千尋ちゃんに乳首を触られている事を想像して、千尋ちゃんの名前を呼びながらオナニーする事」
「な、なんで……そんな事……」
「別に難しい事じゃないでしょ?それだけで射精ができるんだよ?」
僕は何も言い返せなかった。
◆
――夜。
自宅に戻り、ドアを閉めた瞬間から胸がざわついていた。
“許された”という事実が、身体を熱くさせている。
スーツを脱ぎ、ブラを外す。
解放された乳首は既にビンビンになっていて、指が自然とそこへ伸びた。
「……んっ」
声が漏れる。
軽く弾くだけで腰が浮く。
開発され続けた乳首と抑圧された射精への欲望が、一気に爆発しているみたいだ。
両手で同時に乳首をつまみ、捻りながら、腰を前後に揺らす。
我慢してきたチンコは、すでに先端から我慢汁を垂らしている。
想像が勝手に膨らむ。千尋ちゃんの細い指が、僕の乳首を容赦なく摘まんでくる姿。彼女の笑顔が脳裏に浮かび、身体が震える。
「はぁっ、千尋ちゃん……やっ……んんっ……!」
情けない声が勝手に出る。
女の子みたいに喘ぎながら、乳首をいじってチンコを擦り続ける。千尋ちゃんにいじめられる妄想が、快感を倍増させる。彼女が耳元で囁く声が聞こえる気がする。
『レンさん、こんなに乳首がビンビンになってるの、恥ずかしくないんですか?』
『私、見てましたよ。レンさんがコピー機の前で乳首を弄ってる姿……。仕事中も我慢できないなんて……変態……』
「千尋ちゃん……もっと、強く……あっ、乳首いじめて……!」
やがて、脳天に突き抜けるような快感が走り、チンコが勝手に脈打つ。
「千尋ちゃん、イくっ……あぁぁぁっ、千尋ちゃんんんっ……!」
声を張り上げ、白濁液を飛ばした。
床に散った精液を見て、足が震える。
こんなに気持ちいいなんて……千尋ちゃんの幻影が、僕をさらに追い詰めた。
「はぁ……はぁ……もっともっと、千尋ちゃんに乳首をいじめられたい……」
荒い息を整え、千尋への若干の罪悪感も感じながらベッドに倒れ込んだ。
――しかし、僕はまったく気づいていなかった。
自分のスマホに、知らぬ間に仕込まれた“盗聴アプリ”のことを。
そのせいで、今日の夜、僕が漏らした声のひとつひとつが、三人の耳にリアルタイムで届けられ、保存されていたことを……。
【13章へつづく…】
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